初めて自担のミュージカルを観たジャニオタの感想文

タイトルのまんまである。ただひたすら、いかに坂本昌行さんが素晴らしかったかを記録に残したいだけのブログだ。

 

私は、これまで舞台というものに行ったことがなかった。正しく言うと歌舞伎にはよく行くが、ミュージカルというジャンルには全く縁がなかった。(子供向けの演劇は観たことがある気がする。)

そんな私の自担は、ジャニーズの中でも特にミュージカル部門を極めている「坂本昌行」さんだ。彼のファンを名乗る以上彼の出演作は観に行きたい!!

というわけで「MURDER for TWO」を観に行きました。

ほとんど爆笑に近いほど笑ったし、カーテンコールの最中には思わず(たったの一万円でこんな素敵なもの観させていただいていいの?もう少し払いますよ?)なんて、ブイヲタらしいことを考えてしまった。帰り道は疲れ切った顔のサラリーマン全員にマーダーを見たら疲れが飛ぶよって教えてあげたくなったし、顔が思い出し笑いでにやけた。エナジードリンクみたいに最高に元気になれる舞台だった。

 

ここから下はガッツリとネタバレさせていただきながら最高だったポイントを思い出せる限り羅列するけど

 

 

取りあえず最初に登場した時の松尾さんにやられた。

いきなり坂本さんじゃなくて本当に申し訳ないが、マジで松尾さん、イケオジだった。歌も、ミュージカルの出演歴はそれほど長くないみたいだったけれど、すごくお上手だった。器用な方なんだなきっと。今回の観劇での収穫の一つは、間違いなく松尾貴史さんという俳優の演技の素晴らしさを認識できた。ということだと思う。

 

坂本さんは歌がうまい。このことは周知の事実だと思うが、実は声色のバリエーションが豊富でもある。昔のⅤ6のコント番組「Ⅴ6病棟」やそのほかのバラエティー番組でも度々演じるキャラによって声を全く別人に変えていることがあり、その芸達者さに驚いていたのだが、正直なところ今回の舞台で10役を演じると聞いたとき、絶対にあやふやになってしまうだろうと思っていた。一般論として、10人の別人格を1人で演じ分けるのは無理だからだ。

だから始まってすぐの坂本さん演ずる老婆の声を聞いたとき、その完成度の高さに一般論を坂本さんに当てはめてしまった自分を責めた。自担が絶対に完璧に仕上げてくる人だということは知っていたはずなのに疑ってしまった自分が恥ずかしかった。

老婆、女子大生、老人、子供、などなどすべての登場人物が声と仕草だけで次々とその場に現れた。坂本さんがくるっとターンするだけで、横を向くだけで、あっという間に年齢も性別も違うキャラクターになる様は圧巻だった。

特に私が衝撃を受けたのは、中年夫婦の言い争いのシーンだった。坂本さん演じる中年夫婦は妻は夫を見上げるように、夫は妻を見下ろすように身長が設定されていてそういう演出も細かくて素晴らしいと思ったし、夫が巡査に訴えているのを妻が止めようとするシーンは一人で演じ分けているとは思えないほど声が低くなったり高くなったりして、のどを酷使しているんだろうけど、それを感じさせない坂本さんの凄さを思い知った。

もちろん3人の子供のシーンも素晴らしかったし、本当に1人としてキャラクターがかぶって見える瞬間がなかった。男性も女性も人によっていろんな声の人がいるなーと、普段何気なく聞き流している人の声がこんなにも魅力的に感じたことはなかった。

そして坂本さんの歌の上手さを実感したのは、女子大生のステフが巡査に対して「パートナーが必要」と歌い上げるシーン(余談だが、私はここのシーンがディズニー映画のプリンスにしか見えなかった。坂本さんはアナと雪の女王のアナの実写版やろう!絶対かわいい。)最初はただファルセットが心地よくて聞き惚れていたが、ハッとした。気が付いてしまった。この人は裏声で歌ってるんだった。裏声であんな声量なのヤバい。あんな上手いの普通じゃない。

バレリーナが被害者に憎悪を告白するシーンも、子供が歌い上げるシーンも彼の本来の声ではない。(なんなら彼が本来の声で話したの、お客さんに携帯の電源の件で話しかけるときくらいだった気がする。)なのにこんなにうまいなんて信じられなくて、自分が今どれだけすごいものを見ているのか再認識して泣きそうになった。松尾さんと二人でハモるシーンも素敵だった。二人とものびのび歌っていて、観ているこちら側が無駄な力を抜いて聴いていられるほど軽やかで安定感があった。

ダンスも最高だったんだけど、今回はあまりダンスに特化したシーンはなかったので割愛する。(振りの話といえば子供のシーンで、脚を折り曲げたまま開脚したり閉じたりするのはびっくりした。あれ絶対痛い。)でもこれだけは言わせてほしい。「スタイルお化け最高!お尻が小さくてキュッとしてた最高!もっと見たかった!」

 

演出・脚本の面においては、ひたすらアメリカの演出家のお二人に感謝したい。拝みたい。崇めたい。私は今回、全くネタバレを見ないようにして観劇した。だから、どこからが脚本なのかアドリブなのかが全く分からなかった。それほど脚本を感じさせない演者の演技も素晴らしいが、綿密に考え抜かれた脚本があってこそ出来たことだろう。

必要以上の小道具を使わず、ライトと音、演者の演技力、そしてそれらを自分の中でイメージ化させる観客の想像力で作り上げる舞台。ある意味、お客さん一人ひとりも演者の一員になれていた気がする。

 

今回私は、Ⅴ6の坂本昌行さんを観に行くつもりだった。しかし、私が実際に観たのはミュージカル俳優の坂本昌行さんだった。私は、たった二人の俳優さんによってイングランドの殺人事件が起こった屋敷に連れて行ってもらったのだ。

心の底からこの舞台のCD音源が欲しい。映像が欲しい。それほど手元に残しておきたい舞台だった。アンケートにも書いたけど、もう再演して欲しい。禁断症状がでてしまう。

最後に、「上質なエンターテイメント」を見せてくれた自担に感謝しかない。それと同時に40歳を超えても常に進化をし続ける自担の勤勉さには最大限の敬意を表したい。今回はピアノの演奏という難関があったにも関わらず、それをクリアしてきた坂本さんは本当に努力の人だと思う。(どれだけ練習したんだろうと少し怖くもなってしまうけど。)坂本さんに着いていけば、Ⅴ6に着いていけば、私はまた新しい体験が出来る。素晴らしい作品に出会えると確信した今、これからも重すぎる期待を背負って、でもそれを軽々と飛び越えてしまう(血が滲むような努力をしているのだろうけれど、そうとは見せないのはやはりプロだと思う)坂本さんを見ていきたい所存だ。

やっぱりあなたはリーダーだよ!!

 

追記:そういえば、最後に客席に向かって「バーン」ってする坂本さんかっこよすぎて死ぬかと思った。あれはアイドルの顔してたよね。

あと松尾さんに迫ってるとき、一瞬だけ商業用の薄い本が思い浮かんだ。申し訳ない。