K-POPファンが初めてジャニーズのライブに行った話
日本人に生まれた身として、ジャニーズにハマるというお約束みたいなオタク人生を歩みかけたものの、気がつけば東方神起に落ちそのまま早10年。韓流オタクとしてライブ参戦などのオタクライフを満喫していたが数年前にあるジャニーズグループの茶の間ファンになり、先日ついにライブに行ってきた。オタク人生初のジャニーズのライブだ。そして担当グループはデビュー20周年から再ブーム到来かと言われ、歌って踊れる最年長グループとして突っ走っているV6だ。
今まで、個々のメンバーの舞台は参戦してたのだが、これが本当に初めてのライブ。
正直に言う。
舐めてた。
KPOPのグループは歌が上手く、ダンスもバッキバキ。日本のグループなんて、ジャニーズなんて、顔がいいだけのそこら辺のお兄さん。
なーんて思ってるそこのあなた。
V6のライブに行ってくれ。そして日本のエンターテイメントはまだまだイケる。捨てたもんじゃないと知ってほしい。
私の拙い文章とボキャ貧ぶりでは感動を伝えるのは難しいかもしれない。でも伝えたい。だからネタバレが可能な方は、最後まで読んで貰えたら嬉しい。
そして少しでも気になって、V6見たい!!!ってなったらWOWOWと契約して欲しい。
そう、今回のライブ(そして2015年度のライブ)はWOWOWで11月25日 18時30分から今回のライブに密着した特別番組が 、19時30分から今回のライブが放映されるのだ。ジャニーズのライブがテレビ放送で見られる時代が来た。このチャンスを逃さないで欲しい。
という露骨な番宣をしたところで、今回の参戦した驚いた点、感動した点を列挙していく。
①ステージの造りが最高
今回参戦したのは横浜アリーナでの公演。アリーナ・スタンド1階・2階というオーソドックスな客席。そしてメインステージと、花道で繋がったサブステージ。これまたオーソドックスだが、しかし、花道のど真ん中が円形になっており、そこがグルグル回転したりせり上がっていく第3のステージになっていた。私はビギナーズラックなのか、この第3のステージのほぼ真横のアリーナに入らせていただいていたため、ライブが始まってから彼らがそこに移動して来たときには死ぬかと思った。まさか花道のど真ん中がステージなんて信じられるか?どうせここで左右二手に分かれてちょっと手を振ったら即サブステージに移動だろうと、高を括っていた私が彼らがそこでなぜか回り始め、ステージが上に行った時にどれほど狼狽えたことか。なんだこれ。近い。普段正面からしか見られないフォーメーションが横から見られる。なにそのアングル最高。しかも真上には巨大なシャンデリアのような照明器具がぶら下がっており、V6がその中で
踊るのだ。籠の中の鳥のようなアイドル。最高。もちろん、メインステージもサブステージも満遍なく使うから三ヶ所で彼らのパフォーマンスを堪能することができた。
さらに特筆すべきは、トロッコの豊富さだと思う。アリーナの周りを回るコースのトロッコかある。わかる。見たことある。ちゃんとアリーナの真ん中を通るコースも用意されてる。な、なるほど。アリーナに至れり尽くせりだな。
2階席のほぼど真ん中を通るトロッコがある。
あーなるほど、、、、?????
2階???
2階にトロッコ???
たしかに、2階席はステージ全体を見渡せて楽しめる席だとは思う。だがしかし、やはりメンバーとの距離は遠め。2階席だってライブだから近くでメンバーが見たい。トロッコとかが目の前に来てくれたらなー。
2階席になったオタクなら誰しも一瞬はライブ中にこう思うはずだ。
そのトロッコが、、、2階にあった。 しかも4台。
ファンになるべく会いにいく。V6は会いに来てくれるアイドルだった。
②MCがマジで楽しい(そして長い)
日本のアイドルとKPOPアイドルとの違いとして、言葉の壁がないというのが挙げられると思う。これは当然のことだけど、今やMCを全部日本語でやってくれるグループは少なくないし
、韓国語で話されても通訳はいるし、こっちがある程度韓国語をヒアリングできれば十分楽しめる。そう、もちろんそうなんだけど、
やっぱりおじさんたちめちゃめちゃ面白いんだ。20年以上やってるとネタが豊富でなんか小慣れてるし、盛り上げ方もソリジローって、またそれなのー(叫ぶけどさー。みたいなこともないし、メンバーがみんな(好き勝手)話すし、なによりも仲の良さがひしひしと伝わってくる。本来ならばファンが勝手にやるようなカップル推しをメンバーたちが平気でぶっ込んでくる。この人たちニコイチだからー、俺のこと大好きなんだよこの人 、俺たちこの間キスしてさー(写真まで公開)etc 仲の良さアピールが半端ない。そして自分たちで発信しておきながら照れる。このスレてない感じはなんなんだ。なんで客よりテンション高く反応するメンバーがいるんだ。捌けるまで永遠に楽しそうに喋ってくれるからバラエティを見ているようにゲラゲラ笑ったし 、こんなにリラックスしながら聞くMC初めてすぎた。
そんなMCが20分ほど続く。測っていないので正確にはわからないが、とにかく長め。そのかわり明確なMC(客を座らせる)はこの一回のみ。そう、一回だけなのだ。
平均年齢40歳のグループが2時間半のライブでパフォーマンスをしないのがわずか20分という事実。。。
③おじさんたちの体力
というわけで次に驚いた点としておじさまたちの体力面をあげさせていただきたい。
前述した通り、2時間半のライブでトークは20分ほど(もちろんその間も彼らは立っている)
韓流アイドルが必ず入れる本人映像のVCR(またの名をおトイレタイム)は存在しない。衣装替えのために映像が入ることはあったがあくまで演出の一環であからさまな繋ぎという印象はない。短いし、本人たちが謎に原っぱで寝っ転がったり、敵に追われたりしない。(SMあるあるの脈絡ないあれ)
着替えるしか時間がないはずなのに、ジャニーズきってのダンスグループという名にふさわしく、とにかくよく踊る。動いてなきゃ死ぬの?ってくらいよく動く。そしてほぼ生歌。(生歌かどうかクオリティが高すぎてわからない)
なによりもバックダンサーが存在しない。正真正銘彼ら6人だけの世界なのだ。
おじさまたちは宇宙人か何かなのかもしれない。
推しが40歳過ぎてあそこまで動いてくれたらなんかもう拝むことしかできなくなる。少なくとも私は拝んだ。40歳過ぎてもアイドルやっててくれてありがとう。
そんな彼らのライブにおいて要となっているのが演出。特に照明のクオリティだったと思う。
④演出(照明)がレベル高すぎ
V6は歌って踊れる。みんなが、だ。もちろんグループ内に歌が特にずば抜けている人、ダンスがずば抜けている人はいる。坂本昌行さんの歌唱力は安定していたし、森田剛さんのダンスは目を惹きつけられて離せなくなる魅力があった。だけど、全員が平均以上に歌って踊れる。ラップ担当はいないが、平坦な印象は与えない。音が外れない。ダンスのリズムが崩れない。基本的なことがしっかりしてる。それだけでも十分に満足できるのに、V6にはそのかっこよさをさらに突き抜けさせることができる素晴らしい演出技術が備わっていた。
ファンになりたての頃から聞いていた。V6の演出は変態だと。
変態ってどういう意味よ笑 なんて思ってた。
いやー本当にド変態だったんですねー。
一曲一曲に合う演出。ただ赤とか白とかの照明を当てるわけではない。レーザー、スモーク、一枚の巨大な板から何枚も(のちにWSで11枚分割と判明)に分割されて上下左右に自在に動くLEDパネルを駆使し、花火のような特攻やカラフルな炎を使いテンションをあげさせ、踊りとリンクさせた映像を随所に散りばめ、一曲が終わるたびに、まるでオーケストラのクラシックコンサートのような曲に対する完成度の高さを味わせる。一曲も捨て曲がない丁寧な仕事、高級感。ときには神のように佇み遠い存在に感じさせ、明るい曲ではファンの近くにきて笑顔で手を振ってくれる頼れるお兄さん感を出してくるバランスのとれたギャップ。ファンが見たいV6を全方位から見せてくれつつ、一つ一つの曲の世界観を壊さないように計算し尽くした演出を織り交ぜる。本当に職人技を堪能した気分だった。(ちなみに今回のライブ28曲中22曲がライブ初披露)
全ての演出が素晴らしかったが、極めつけはカミセン(森田剛、三宅健、岡田准一の年下組3人)のユニット曲での演出。(曲名は Get Naked)
3人が登場するとともにステージに上から落ちてきた半透明(白っぽい)のスクリーン。これじゃ3人の姿がよく見えないじゃないか、と憤る暇も与えずにスクリーンいっぱいに映し出されたのは、三宅健の顔面ドアップ(モノクロ)
何とこの演出、3人が各々、自撮り棒をつけたようなハンディカメラで(まるで彼女目線を味あわせてくださるように)自分を撮影し、それがリアルタイムでスクリーンいっぱいにモノクロ映し出されるというもの。各自で推しがかの演出をしたらどうなるか想像してほしい。もう想像しただけで優勝間違いなし。さらに寝っ転がったりしてカメラを自分の上や顔の真横に持ってきて写してくれるんだからもうエロいのなんの。まるでグラビアの写真撮影を自分がしているかのような錯覚に陥ることができる。
さらにだ、
申し上げたように、初っ端から、名だたる清純派女優が名を連ねてきた冬ウォーカー(絶賛発売中)の表紙に抜擢され、その素晴らしさから売り切れが続出し、重版が決定した(らしい)ほどの顔面クオリティーをお持ちの、あの三宅健のスクリーンいっぱいのリアルタイムのドアップ。不敵なスマイル。そしてトドメの歌詞。
「ねえ どんなに逃げようとしたって 僕からは逃げられやしない」
生まれて初めて視覚の衝撃で足の力が抜ける。
制御できない手の震えが発生し小刻みに揺れるペンライト、出そうにも驚き過ぎて出ない声。
そこに畳み掛けるように映る森田剛さん、岡田准一さんのドアップ。
ヒトって脱がなくてもエロさ出せるんだって知らなかった。
そんな事実を身をもって体験した私が発することができた言葉はただ一つ。
「なんかもう凄すぎてわからない」
韓流のライブでは必ずと言っていいほど、マスターさんが撮った写真や非公式の映像が存在し、大抵セトリや衣装、演出を把握してのライブ参戦が多い。そして掛け声の文化があるためか、積極的にセトリを予習するファンがほとんどである。
ところがジャニーズ(というよりV6?)ではセトリはおろか衣装の色でさえもネタバレにあたるためSNSには積極的に書き込まないのが暗黙の了解となっている。(MCでのトークを絵に描く人も衣装はTシャツなどを描き、衣装バレありませんと表記する)
当然、演出なんてほとんどの方が口外しないので、ツアー終盤になっても自分から積極的に調べに行かない限りは全く情報がないままなのが普通だ。
だから今回、演出だけで脳が停止するくらいワクワクできたのはこういう情報のない環境を維持するのが容易だったからだし、身を任せるだけのコンサートもなかなか新鮮でこういうのもライブの演出として重要なんだろうなと実感した。
⑤お値段なんと
脈絡のない感じでここまできたが、もしかして、もしかして、こんな駄文でもV6のライブに興味を持ってくださった方がいるかもしれない。V6のライブに行ってみたい。でも、お値段が気になる。そんな方もいるだろう。そう、値段。私が驚いた最大のポイントは値段である。今まで貢いできたグループに対して
全てが安い(当社比)
まずはチケット代。まあ、ライブのだいぶ前に振り込んでいるのだからチケットはライブ当日は実質タダなのだが(オタクの考え)、V6のコンサート、2時間半歌って踊って、練りに練った演出が全曲に付き、アンコールに加えダブルアンコールもあり、さらにバラエティのようなトークまでついてお値段なんと
9140円
一万円いかない。手数料を抜きにしたら8300円
芸歴20年越えのアイドルが取る料金はこんなものでいいのか。もっと取ってくれないと不安になるくらい安い。
そして、グッズ代。
1番高いTシャツが2800円。
一番安いものがうちわとクリアファイルでお値段何と600円
うちわってやっぱりあると欲しくなるものなのにめっちゃ安い。というか、全商品で一番高いのが3000円しないって。。。
そんな安かったら質が悪いのかと思うじゃない。違うんだなそれが。
例えばショッピングバッグは1800円なのに、ジャンボサイズのうちわがすっぽり入る大きさ。分厚い生地。イラストはプリントではなく刺繍。そう。刺繍だから消えにくい。
片面は無地だから、裏返して持ち歩けばただのバッグ。オタバレしない。最高か。
しかもV6はここ5年以上、2年に1回の周期でしかライブをやらない。
ということは、だ、単純に6人のライブにお金をかけるのは2年に1回だけなのだから、1年にかけるグッズ代としては半分の金額。
だから今回のライブでペンライトと、うちわ、ショッピングバッグにポーチを買ったとすると
計5500円
1年分のグッズ代は単純に2で割った2750円
もっと取ってくれないと不安になってしまうくらい安い(2回目)
なんて良心的なんだV6。もっと貢がせてくれ、と思った時にはもうライブが終わり、彼らに会えるのは再来年になってしまった。
が、
なんと今ならWOWOWに加入するだけで11月25日にV6のライブを体験することができるのだ。しかも23日にはスペシャル番組が無料放送されるという良心の塊っぷり。
これは観るしかない。観るしかないでしょう。気になったら、今すぐWOWOW V6で調べていただきたい。
私は決してジャニーズがK-POPより優れているとか、いないとか言うつもりはない。けど、海外に目を向けて国内のコンテンツを貶す。そういう態度を取りがちな方(以前の私)は損してるなーと思ってしまうほど、国内のアイドルだって魅力が詰まってる!と証明してくれるグループに出会えたこと。そしてそれが平均年齢40歳、活動休止もメンバー脱退もなく20年以上歩んでくれているおじさまグループでよかったと思う。そんなライブだった。
百聞は一見にしかず。とりあえず騙されたと思ってWOWOWを見て欲しい。(そしてお仲間になれたらいいな)
これが私が一番伝えたいことだ。
みんな11月25日19時30分に会おう。
※今回のライブは最新アルバム 「The ONES」の楽曲を多く披露している。このアルバムも良質なので是非聴いてほしい。